或る光栄

In case of die.

ブログに綴っている内容は勤務する企業とはいずれの関わりもありません

ノースポイントからサムスイポーへアンプを買いに行く

 海底トンネルを抜けて、

ネイザンロードを走っていく。


 横に長い看板に視線を取られながら、

生暖かい風を感じて街を通り抜けて行く。


 サムスイポーの外れにルノー カングーを止めて

電気街へボクは消えて行く。


 遅いランチに魚のフライとサラダを食べた。

 チンタオが少し気が抜けてまずい。


 行きつけのオーディオショップでアンプの具合を見ていた。

 真空管は見知らぬ文字のロシア製。


 店の主人が、スピーカーケーブルを変えて聴かせてくれた。

 どうだい?アコースティックならこっちのケーブルを勧めるけど とかなんとか。


 ひまな主人を相手に2時間も油を売りながらアンプとスピーカーのセットを試した。


 主人はケーブルなら三軒先のショップの方が安いと言いながら店の外を指差した。

 しばらく今のセットとケーブルを試してみたら?

 

 商売っ気のない店なんだよな。


 結局ケーブルを行きつけの店から三軒先のショップで買っただけでサムスイポーを後にした。


 それからボクはノースポイントの部屋には帰らずにアバディーンまでルノー カングーを走らせた。


 アバディーンのサンパンを見ながら

右手に夕陽が沈んでいく。

 ジャンクに乗った漁民が洗濯物を取り込んでいる。


 今夜から雨が何日か続くみたい。

 憂鬱だな。


 部屋に帰る前にセントラルのソーホーで半袖のシャツを2枚選んで買った。

 雨が止んだら暑い日が毎日続くだろう。


 ボクは香港の警官。


 国が一つとか二つとか

難しいことはボクには分からない。

 大人になったら違う国旗が一緒に上がるようになっただけ。

 ここ香港に暮らすボクになにも変わりはない。


 小さな島に産まれ、暮らしている。

 明日またあたらしい命も産まれる。


 この小さな島で この小さな島で。

 おやすみなさい。

 

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