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或る光栄

In case of die.

ブログに綴っている内容は勤務する企業とはいずれの関わりもありません

私はすべてに「いいえ」と言った。けれどもからだは、躍りあがって「はい」と叫んだ。

 月曜日の午後から処方された薬を飲み続けているが、どうにもこうにも咳だけがおさまらない。


 呼吸をしていると胸のあたりがスースーして息がどこかちがう場所へ抜けていくかのようだし、なんだか自分のポンコツ具合に嫌気がさす。


 抗生物質と総合感冒薬の処方、飲み合わせが良くないのか、味覚も飛んでしまって口の中にいつまでも錆のような苦味が残っている。いやだな。

 救いはまだ眠れること。先週の土曜日くらいはもう本当に身体がじーんとしびれてしまって眠りにつくことさえ許されなかった。


  誕生日を前にして、詩人の大岡信さんが亡くなられた。

 詩人は瞬間の王だから、深い深い野性と理性のあいだに即興的に生まれた言葉を考える事なく紡いでゆく。

 考えて出て来た言葉の連続ではないから、その言葉の持つ本来の力や美しさに思わずハッとさせられる。

 大岡さんの場合、考えるうちの仕事は評論だったんだろうな。

 現代、詩人生まれて来ないな。

 

 今の時代はさ、まあわたしも含めてなんだけど目の前にある餌をパクって食べているだけだもんね。人が指し示した書物や人が掲げた理念に追随するだけ。真似するだけ。

 それなのに、自分がやったんだってへんに胸を張られてもね、はらりはらりと波間に漂う木の葉の裏にへばりついたよ溺れぬように。

 


 

静物

冬の静物は傾き まぶたを深くとざしている
ぼくは壁の前で今日も海をひろげるが
突堤から匍いあがる十八歳のずぶ濡れの思想を
静物の眼でみつめる成熟は まだ来ない


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